建物管理に必要な点検・報告の周期
2025.9.24
建物の安全性を確保するうえで、建築基準法第12条に基づく「定期報告制度」は、管理会社が必ず理解しておくべき重要なルールです。特に外壁に関しては、経年劣化による剥落事故を防ぐため、調査・報告の周期が明確に定められています。
1. 建築物全体の定期報告周期
初回報告:検査済証の交付から 6年以内
以降の報告:3年ごと に実施
この定期報告の中に、外壁の調査も含まれています。
2. 外壁調査の位置づけと全面打診調査
外壁については、建物の高さや用途に応じて「全面打診調査」が必要とされています。
外壁タイルや石貼りなどがある場合、10年ごとに全面調査を行うことが標準とされています。
その間の期間は、目視や部分的な打診など、リスクに応じた方法で調査を行い、劣化の有無を確認します。
3. 管理会社が押さえるべきポイント
- 報告義務:建物全体の定期報告は「6年以内→3年ごと」
- 外壁全面調査:原則「10年ごと」
- 中間チェック:全面調査の間隔においても、劣化の兆候を見逃さないために部分的調査が求められる
これらの周期を守ることは、法令遵守だけでなく、建物利用者の安全確保や資産価値維持の観点からも極めて重要です。
参考文献
- 国土交通省「建築物の定期報告制度」
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/jutakukentiku_house_tk_000039.html - 国土交通省告示第282号(平成20年)「外壁全面打診等調査の義務化」